初心者向け|医療費控除の対象と申告ミス5選【知らないと損】

医療費控除の見落としポイント お金の知識



はじめに|医療費控除、実は「知らないと損」する制度です


「1年間で思ったより医療費を使ったな…」

「確定申告ってなんだか難しそう…」

そんな風に感じて、医療費控除をスルーしていませんか?

実はこの制度、ちょっとの手間で1万円以上の節税につながることもある、とてもお得な仕組みなんです。

私自身も、以前は「領収書が必要」「面倒そう」と後回しにしていましたが、調べてみると申請方法もシンプルになっていて、補助対象も意外と多いことが判明。

この記事では、

  • 「これも対象なの?」という意外な費用
  • 多くの人が見落とす申請ミス
  • 2025年最新の申請手順やコツ

などを、わかりやすく解説していきます。

医療費控除とは?表でわかる制度のしくみ

まずは「医療費控除って何?」という方のために、簡単にポイントだけ整理します。

ポイント内容
対象になる人1年間で一定以上の医療費を支払った人(家族含む)
控除のしくみ医療費の合計から10万円(※)を引いた分が所得控除
節税の効果年収にもよるが、数千円〜数万円の税金が戻るケースも

※所得が200万円未満の場合は「所得の5%」が基準になります。

つまり、1年のうちに「通院が多かった」「入院・出産があった」「歯医者に通った」など、まとまった医療費を使った人は、この制度で税金を軽くするチャンスがあるのです。

実はこれも対象!知らないと損する医療費控除の対象費用

「病院の診察代だけが対象でしょ?」と思っていませんか?

実は医療費控除の対象は病院代だけでなく、薬局や交通費など幅広いのが特徴です。ここでは、見落としがちな費用をピックアップしてご紹介します。

意外と対象になるもの一覧

費用の種類対象になるか補足ポイント
病院での診察代・入院費用一般的な治療目的であればOK
処方箋による薬代ドラッグストアでの購入も対象になる場合あり
通院にかかった交通費公共交通機関(電車・バスなど)に限る※
歯科治療(自由診療含む)審美目的でないもの(矯正も条件次第でOK)
出産費用(健診・入院含む)分娩・入院・通院の交通費も対象に
子どもの予防接種や健診条件付きで対象(「治療」が目的なら可)
市販薬の購入費用「セルフメディケーション税制」に該当するケースあり
付き添い者の交通費子どもの通院に親が同伴した場合など

※マイカー通院・タクシー代は原則対象外(ただし緊急時は例外あり)

医療費控除の見落としやすいポイント

  • 市販薬も対象になることがある!  風邪薬や湿布なども「セルフメディケーション税制」の対象になる場合あり。  ⇒ 領収書をとっておけば安心!
  • 歯列矯正は“治療目的”なら控除対象  子どもの成長に伴う咬合改善などはOK。審美目的だとNG。
  • 電車・バス代は控除OKだが、領収書が出ない!  ⇒ 通院日・ルート・金額をメモしておくのがおすすめです。

よくある勘違いと損しがちな申告ミス

医療費控除は、申告方法や対象の誤解から「損をしている人」も少なくありません。
ここでは、よくある失敗例や注意点をまとめておきます。

医療費控除の“あるある勘違い”

勘違い内容実際はどう?
市販薬はすべて対象になる→ セルフメディケーション税制の対象のみ。条件や届け出が必要
タクシー代やガソリン代も通院交通費としてOK→ 原則NG。公共交通機関のみが対象(緊急時除く)
家族分は自分と配偶者だけが対象→ 生計を一にする親・子・兄弟も含められる!
源泉徴収票があれば自動で適用される→ 申告しないと適用されません(確定申告が必要)
クレジットカード明細でOK→ 明細ではNG。領収書・レシートが必要です(※保管義務あり)

医療費控除で「損する」パターン例

  • 交通費の記録を残しておらず、控除から漏れた
  • 市販薬のレシートをすべて捨てていた(控除対象分も含む)
  • 子どもの医療費を合算できると知らず、親の分だけで申告
  • 年末調整で済んだと思い込み、確定申告をしなかった

対策:損しないためのポイント

  • 通院時の交通費・ルート・日付はメモ or スマホで記録
  • 医療費のレシート・領収書は月ごと・家族ごとにまとめて保管
  • 「医療費集計フォーム(国税庁)」を活用して、確定申告を効率化
  • セルフメディケーション税制の対象商品マークにも注目!

医療費控除のやり方と流れ|5ステップでカンタン申請

医療費控除の申請方法|5ステップ

医療費控除を受けるためには、確定申告が必要です。

ただし、流れを知っておけばそこまで難しくありません。

ここでは、誰でも迷わず進められるように、5ステップで解説します。

STEP①:対象の医療費を集計する

まずは、1月〜12月までに支払った医療費をすべて集計します。

対象となるのは「自己負担分の医療費」。保険で補填された分は除外します。

  • 医療機関・薬局・歯科・整体・通院交通費などが対象
  • 家族分を合算する場合は、生計を一にしていることが条件

国税庁の「医療費集計フォーム(Excel)」を使えば自動計算も可能
国税庁 医療費控除フォーム

STEP②:領収書やレシートを整理する

医療費の領収書やレシートは捨てずに保管しましょう。

ただし、申告時に提出は不要で、5年間の保管義務があります。

  • 領収書は月別・人別にまとめておくと便利
  • 通院交通費は、日付・行き先・交通手段をメモしておく

STEP③:確定申告の準備をする

確定申告の方法は3種類あります

方法特徴
e-Tax(オンライン)マイナンバーカードがあれば、スマホからでも申告OK
税務署に提出(紙)手書き or 印刷して提出。郵送も可
会計ソフトの活用freee や マネーフォワードなどで簡単に入力できる

医療費控除の欄に、集計結果を入力すればOK!

STEP④:必要書類を用意する

  • 医療費控除の明細書(集計フォームを印刷)
  • 源泉徴収票(会社員の場合)
  • 確定申告書(A or B)
  • マイナンバーが確認できる書類(オンライン申請の場合)

STEP⑤:申告完了→還付金を受け取る!

申告が終われば、還付金が1〜2ヶ月後に指定口座へ振り込まれます
思っていたよりスムーズだった!という声も多いです。

医療費控除はこんな人におすすめ

医療費控除は一定以上の医療費を支払った人にメリットがある制度です。

以下のようなケースに当てはまる方は、申告すればかなりの節税につながる可能性があります。

家族全体で医療費が多かった人

  • 子どもの歯科治療や矯正、予防接種などがかさんだ
  • 高齢の親の通院や薬代が増えた
  • 家族で複数人が病院通いをしていた

同一生計なら全員分を合算して申請OKです。

自費診療や自由診療を受けた人

  • インプラントや親知らずの抜歯
  • 不妊治療や漢方薬処方などの自由診療
  • 一部の整体や接骨院、鍼灸など

保険適用外でも医療目的なら対象になるケース多数。

通院の交通費がかかった人

  • 子どもの通院にタクシーを使った
  • 電車やバスでの通院を何度も行った

公共交通機関での交通費も、記録があればOKです(自家用車のガソリン代はNG)。

市販薬や処方薬を多く買った人

  • 病院でもらった薬代
  • 対象となる「セルフメディケーション税制」の市販薬(風邪薬、整腸剤など)

対象品目を買ったレシートがあれば、別の控除として活用できることも!

年収が比較的低めの人

医療費控除は「所得」に応じて控除額が変わるため、年収が低めの人のほうが控除効果が大きくなるケースがあります。

医療費控除でいくら戻る?かんたんシミュレーション

医療費控除は「10万円超えたら全部戻ってくる」というわけではなく、実際に戻る金額(還付額)は「課税所得」や「所得税率」によって変わります

そこで、以下に2つのケースでのシミュレーションを用意しました。


▶ ケース①:年収400万円・医療費15万円

項目金額
年間の医療費150,000円
控除対象額(※)50,000円(150,000 – 100,000)
所得税率約10%
還付される金額目安約5,000円

▶ ケース②:年収600万円・医療費30万円

項目金額
年間の医療費300,000円
控除対象額(※)200,000円(300,000 – 100,000)
所得税率約20%
還付される金額目安約40,000円

控除額=「年間の医療費」−「10万円(もしくは総所得の5%)」
還付額=「控除額 × 所得税率」でざっくり計算できます!

もっと正確に知りたい人は?

国税庁や各社サイトが提供している**「医療費控除シミュレーター」**を使えば、誰でも3分で試算できます。

医療費控除の申請方法|やり方と必要な書類まとめ

医療費控除の申請には確定申告が必要ですが、最近はスマホやパソコンからの申請が可能になり、かなりラクになっています。

ここでは、初めての方でも迷わないように、申請の流れをステップ形式で解説します。

ステップ①:医療費の領収書や明細を集める

  • 自分・家族分すべてOK(生計が同じならOK)
  • 病院・歯科・薬局・整体・通院の交通費も対象に
  • 領収書は提出不要(※2023年分以降)、ただし5年間保管義務あり

ステップ②:「医療費控除の明細書」を作成する

  • 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で入力すれば、自動で明細書も作られます
  • エクセルや手書きでもOK(所定のフォーマット使用)

医療費の合計額・補填(保険金)・交通費なども忘れず記入!

ステップ③:確定申告をする(提出方法)

方法特徴
e-Tax(スマホ・PC)マイナンバーカードとICカードリーダーで提出可能
郵送税務署に書類一式を送付
税務署へ持参直接相談しながら提出もOK(時期によって混雑に注意)

郵送・持参の場合は、マイナンバー確認書類や本人確認書類も必要になります。

提出期間は?

  • 申告する年の翌年2月16日〜3月15日
  • 還付申告(払いすぎた税金の取り戻し)なら5年間まで遡ってOK!

よくある勘違い&質問|医療費控除の「これってOK?」

医療費控除は対象が広い一方で、「これはいける?」「これはNG?」と迷うケースも多いです。ここではよくある勘違いや意外と見落としがちなポイントを紹介します。

❌ NGなもの(対象外)

項目理由
美容目的の整形治療ではなく、健康維持の範囲を超えるため
健康診断(人間ドック)病気の治療目的でない(※再検査等で治療があるとOK)
サプリ・ビタミン剤医師の処方がない市販品は基本的に対象外
予防接種・ワクチン治療目的ではないため

✅ OKなもの(対象になる)

項目ポイント
通院の交通費(電車・バス)領収書がなくてもOK(記録をメモしておくと安心)
インプラント・矯正「治療のため」であれば対象(審美目的はNG)
子どもの医療費生計が同じなら対象になる(扶養内でなくてもOK)
出産費用(分娩・通院)妊娠・出産に関わる医療費は基本OK(出産一時金は控除額から差し引く)

よくある質問

Q:市販の薬も対象?

→ 一部OK!風邪薬や湿布など「治療に使った薬」はOKですが、健康維持目的のものはNG。

Q:保険金が出たときはどうなる?

→ 保険金や共済金で補填された分は控除対象から差し引く必要があります。

Q:e-Taxじゃないとダメ?

→ 郵送でも税務署に直接でも提出OK!ただしe-Taxがスムーズです。

まとめ|医療費控除を活用して、支出を取り戻そう!

医療費控除は「確定申告=面倒」と思いがちですが、意外と対象が広く、控除額も大きくなるケースがあります。

たとえば…

  • 通院交通費や市販薬も対象になる
  • 家族分まとめて申請できる
  • 保険でカバーされない自己負担分が戻ってくる

など、「知らないと損する」ことも多くあります。

私自身も、年間で2万円以上の還付を受けられた年がありました

ちょっとした手間で取り戻せるお金があるなら、見逃すのはもったいないですよね。


医療費控除が向いているのはこんな人!

  • 子どもや高齢の家族を扶養していて医療費がかさむ方
  • 矯正や出産など、大きめの治療・費用があった年
  • セルフメディケーション税制対象の薬をよく買う方
  • 家族で通院が多く、交通費が意外とかかっている方

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まずは1年分の医療費を見直してみよう!

通院レシートや薬局の明細を集めるだけでも、対象になる費用がたくさん出てくるはず。

医療費控除は5年間さかのぼって申告することも可能なので、今からでも遅くありません。

固定費の見直しや副業と同じく、「払いっぱなしになっているお金」を取り戻すチャンスです!